誰がこの結果を予想していただろうか?
昨年の第3戦ハンガリーでの2位以来、シボレーのパフォーマンス不足によって表彰台から完全に遠ざかっていたトム・コロネル選手だったが、モロッコで突然の復活劇である。
モロッコといえば、昨年そして一昨年と2年続けてコンクリート・ウォールへの大クラッシュという悪夢のようなレースを演じていた縁起の悪い市街地サーキット。トム・コロネル選手はもちろんロアル・モータースポーツとしても、高いモチベーションでのモロッコ入りではなかったはずだ。ところがフリー走行がスタートするとロアル・モータースポーツ・シボレーは、常にラップチャートの上位をキープし、予選では4位を獲得する。
レース1の模様は、ユーチューブを見てもらえばわかるが、全車が密集状態の中、スタート順位の4位を死守するコロネル選手の前後で、他社同士の接触とクラッシュが起こり、結果として1位に躍り出る。しかし直後にシトロエン・ワークスのロペス選手、そしてミュラー選手が迫り来る。周回は21周のレースのまだ7周を消化したばかりだ。残り周回、シトロエン・ワークスコンビの激しい攻撃をしのぎきれるのか? ロペス選手との接触当たり前のバトルが繰り返されたあと、遂に栄光のトップ・チェッカーを受ける。
リバースグリッドのレース2は7位からのスタートとなったが、突然の雨によりウエットレースとなり、クラッシュするクルマも。過去2回の大クラッシュを演じているトム・コロネル選手としては登り調子のシボレーを壊わして、せっかくのレース1での優勝に泥を塗りたくない為に無理をしない走行。ドライセッティングでスタートしてしまったこともあって13位でのフィニッシュ。
しかし気持ちはすでに3週間後のニュルブルクリンクでの第5戦に飛んでいる。
パワーがモノをいうニュルブルクリンクの旧コース、今回のようにはいかないだろうが、期待はいやおうなしに膨らむ、乞うご期待!