WTCC 2017年シーズンの第5戦ポルトガル・ラウンドが、6月23-25日ポルトガル北部の街“ビラ・リアル“の市街地コースで行われた。
昨年のWTCCでは優勝を決めているゲンのいいコースだ。しかし誰もが予想もしなかったことが起きてしまう。練習走行開始から４週目の右直角コーナーに迫ったトム・コロネル選手のシボレーは、ブレーキングでふらついたかと思うとほとんど減速せずにコーナーを直進。コースサイドの花壇を突っ切り、その向うの一般道に止めてあった救急車の横っ腹に激突してしまう。衝突の瞬間、左前輪のホイール＆タイヤが外れて単独でコース脇を転がっていくのがモニターにはっきり写っている。「やばい、ホイール破損？？」。しかし原因はスタッドボルトの破損。左前輪のアップライトから出ている５本すべてのボルトが根元の奥の方から折れている。実はこのトラブルは、昨年のカタールでもトム・コロネル選手を初め、シトロエンのベナーニ選手など複数のクルマで出ている。しかしその時点で原因は特定できず、今回の再発となった模様。
幸いにしてこの激しいクラッシュにもかかわらず、トム・コロネル選手に怪我はなかった。さすが御年45歳の鉄人ドライバー。しかしクルマへのダメージは深刻で、このポルトガル・ラウンドをキャンセルする以外に道はなかった。
次回は、1ヶ月以上開いた8月4-6日のアルゼンチン・ラウンド。この長いインターバルでクルマが完璧に直ることを祈るばかりである。
